ゴー宣DOJO

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笹幸恵
2016.11.22 10:46

豊かさの意味

ちょうどパソコンに向かっているときに

ラインジング発行のお知らせが届きました。

 

拝読して、本当に背筋が凍った・・・。

日本にとって重要な品目(コメなど)は

聖域を守ると言っていたはずなのに嘘っぱちだし、

遺伝子組み換え食品がどんどん日本に入ってくるかも

しれなかった・・・なんて、想像するだけでゾッとする。

 

今でも、一般の人々は「国産」や「遺伝子組み換えではない」という

表示でしか、商品を判断する術がない。

メーカーを信頼するしかないのが現状だ。

食品の成分表示をチェックしたところで、

それとてメーカーはウソつかないという性善説によるものだし、

疑ったらキリがないから値段との折り合いをつけつつ

商品を選ぶしかない。

ちなみに私はチリ産サーモンと中国で加工した食品(水煮など)は

できるだけ買わないようにしている。冷凍食品も買わない。

防御策としては、それくらいしかない。

生鮮品など顔の見える生産者から買うのが一番だけど、

都心ではそれはなかなか難しい。

 

一体、安倍政権はTPPで何をしたかったのだろう?

自由貿易のためなら、国を、国民を売り飛ばすのだろうか。

そればかりか、日清日露の戦争で勝ち、粘り強く交渉を続け、

不平等条約を解消した(関税自主権を回復させた)先人たちの

並々ならぬ努力を無にするのだから、日本が培ってきた歴史と財産を

率先して放棄するに等しい。

私が夏に訪れたナウル島(「ナウル共和国」というれっきとした独立国)は、

リン鉱石が採れるので、ばんばん採掘しまくって

輸出して国民は金持ちになったけれど、

その代わり土地が痩せ、生鮮食品はほとんどすべて輸入に頼るという

いびつな食糧事情を抱えるようになりました。

ナウル人は缶詰とか脂っこいものばかり食べるようになって、

一時期は成人の半数が糖尿病といわれていました。
一人当たりのGDPが高くなったはいいものの、
その分、生活習慣病に悩まされるようになったわけです。
「わはは、何だそれー」って、私は笑えません。


豊かさの意味をもう一度考えなくては。

って、使い古された言い回しだけど、

それでも言いたくなっちゃうよ。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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